数世紀前に悪魔との賭けにより不死の命を手に入れたパルナサス博士は、自分の娘を16歳の誕生日に悪魔に引き渡さねばならなくなり、苦悩していた。彼は自身の率いる、他人の想像の世界を垣間見る鏡の見世物を巡り、パーシーら古くからの仲間とともに興行を続けながら、何とか悪魔との賭けに勝利する手立てを画策していた。そんな折、博士はタロット占いの「吊られた男」のカードが示した、橋の上から吊るされた若者トニーを死から救う。助けられたトニーは商才を発揮して見世物を繁盛させ、博士の助けとなるが、悪魔との賭けのタイムリミットは目前に迫っていた…。(ウィキペディア)
この物語は何度失敗しても懲りない男、パルナサス博士のお話です。正に何度負けても懲りない博打うち、勝負師の物語。
監督が凄い。なにしろ障害が大きいのです。撮影完了前に主要登場人物を演じていたヒース・レジャーが急死しています。それを同じ役を複数のよく似た男優達3人が鏡の中のトニーを演じるというアイデアで乗り切るのはギリアム監督ならではでしょう。よく見ると鏡の中のトニーは顔が変わっています。監督の不死鳥のようなパワーを見習いたいものです。
この映画はギリアム映画の集大成と言われています。映像は未見性のある映像でカラフル、キッチュ、不気味でキュート。
パルナサス博士は悪魔との賭けに生きがいを感じている占いと博打中毒。更にアルコール中毒。
鏡の中の世界は未見性の映像で素晴らしいと思います。
照明が明るくて色が出ています。背の低い小人が出てきます。日本では出てきませんが外国間映画では小人が出てきますね。日本でも俳優登録されているのでしょうか。もし出演してもらえるなら日本の映画としては珍しいと思います。
ステージの鏡を通り抜けた観客は自分の願望を反映した幻想世界を体験できるます。しかし、意味のわからない出し物に客は集まりません。
パルナサス博士は昔偉大な僧侶でした。
一人の女性に恋をして何とか成就させたいばかりに、悪魔のMr.ニックに不死と若さを手に入れる代わりに、生まれた娘が16歳になった時彼に渡すと約束しました。
記憶喪失のトニーは一座に加わると巧みな営業話術で女性客を惹きつけてヴァレンティナも彼に心奪われます。そして娘の誕生日の3日前、Mr.ニックが現れて新たな賭けに勝てば娘を渡さなくてもいいと博士に言います。
事情を盗み聞いたトニーは次々と女性客を鏡の中へ誘導。
しかし残り1人になったとき、トニー自身の願望を反映したトニーが誘導に失敗します。
ヴァレンティナはトニーに裏切られて自暴自棄となります。そして、悪魔のMr.ニックが止めるのも振り切り、悪魔の欲望の道に入っていきます。
パルナサス博士は、トニーの持っていた首に入れる管をトリックですり替え、首つり後に息ができなくします。首に入れた管が壊れて生き返れないようにして首吊死させます。
乞食に落ちぶれたパルナサス博士はある日、娘に似た若い女性を見かけます。後をついていきレストランの幸せそうに家族といるヴァレンティナの姿を見つけます。
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